つい先週まで、請負で動画制作をやっていました。
職場の仲間内で結婚式PVを撮ると聞いたのは先月の事。
お題は、AKB48「恋するフォーチューンクッキー」
流行りに乗っかってますねぇ…。
動画制作に関しては、過去に苦い思い出がある。
大学サークルの卒業生向けビデオ制作を請け負って、
結局、期日(卒業式)に間に合わせられず。
皆が忘れたころにOB会で渡したという…情けない話。
友人の結婚式という晴れ舞台で、同じ過ちを
繰り返す訳にはいかない…! と思いつつ、
これまた二つ返事で安請け合いしてしまったのです。
結局、ギリギリで焦る羽目に。
まず、PVの元になる映像を各自でビデオ撮影してもらい、
各パートを繋ぎ合わせるという作業に移ることになるのですが、
元映像が揃い始めたのが、式まで一週間を切るタイミング。
年度末・年度始めの繁忙期で、皆余裕が無かった。
そもそも、職場仲間とはいえ、勤務支店が異なるため、
撮影状況も見えず。USBメモリに保存してもらった動画を
渡された後は、完全な個人作業となります。
それなりの動画編集専用ソフトを購入すれば良かったのですが
「まぁ…OS付属のソフトでもいけるだろう。」と安易に考えて、
ギリギリの状況で、作業を開始しました。
以下、単なるソフトの感想というか愚痴になります。
興味の無い方はすっ飛ばして下さい。
過去に「Windows Live ムービーメーカー」でPVを作った方、
或いは、これから作ろうとしている方には、
共感いただけるかもしれません。
-----------------------------------------------------------
まず、このソフトは、Windowsのオマケみたいなものです。
直感的に使いやすいインターフェイスではありますが、
市販の動画編集ソフトに比べたら、機能はかなり限定されます。
まず、細かい編集向きではありません。
市販ソフトでは大抵、一つのフレーム内で、複数ソースが
同時挿入可能です。要は、複数の異なる動画を一つのシーンで
並べて流したり、さらに加えて写真を浮かび上がらせたり…
などの複雑な演出が可能になる訳です。
まず、ムービーメーカーではこれが出来ません。
動画や写真を読み込ませて、一つずつ順番に並べていって
それを繋いで再生していくという極めて単純な仕組み。
操作する上で見た目がわかりやすいという利点もあるのですが…
音楽と映像のタイミングが合って当たり前の「PV動画」制作に
おいては、致命的な欠点が幾つかあります。
例えば、Aパート映像→Bパート映像→Cパート映像という流れで、
後になってBパート映像が要らなくなり、削除を考えたとします。
削除すれば、Aパート映像→Cパート映像に変わります。
(当たり前といえば当たり前ですが…)
Bパート映像が無くなった分、Cパート映像が早く流れることになり
その分、音楽とズレが生じることになるのです。
このソフトでは、音楽トラックと映像トラックは別個のものであり、
自動で再生位置のタイミング調整などはやってくれません。
Bパート映像をDパート映像に差し替えようとした場合も同様です。
2つの映像の尺が違えば、Cパート以降の動画は全部ズレます。
「トリムツール」を上手く使って凌ぐしかありません。
(動画再生の開始位置と終了位置を0.01秒単位で調整可能)
PVの場合、振付と音楽を合わせるのに微調整が必須ですが、
これがなかなか…。
ソフト上のプレビュー再生と実際出来上がる映像では
音と絵がズレる可能性があることにも注意が必要。
ソフト上でプレビュー再生して、上手く音と合ったなーと思って
完成版としてファイル保存して開くと…ズレてるという悲劇。
プレビューの音源読込→再生に、若干のタイムラグが生じるらしく、
実際は約3秒ほど音が早く再生される仕上がりになっていました。
(これは、使用PCのスペックや、素材のファイル形式・重さ
によってタイミングが変わってくるかもしれません)
とにかく、無理やり合わせるが為に、
わざと3秒間の不要シーン(動画或いは画像)を仕込んで、
完成版として保存する前に、そのシーンをカットするという
ローテクなやり方で調整を行いました。涙ぐましい努力です。
付け加えると、シーンを繋ぐ際に「アニメーション」を使うと、
これまた再生タイミングが微妙にズレることがあります…。
元々、このソフトの役割(期待される用途)としては、
「撮りだめした写真をBGMに乗せて、さらっとスライドショー」
という程度のものじゃないかなと思います。
凝った動画を作りたいなら市販ソフトを買えという話です。
ただ、このソフトに関しては、直感的に使いやすいという点、
切替わり時のアニメーション効果やテキストツールの特殊効果など、
そこそこ使える編集機能が入っている点は、十分評価出来ます。
(Windows標準ソフトで、何より無料というのが大きい)
自分自身の結果からいえば、
ソフトの使い方に慣れて、注意しながら細かくいじっていけば、
「恋するフォーチューンクッキー」は十分作れます。
-----------------------------------------------------------
ここまで書くのなら、完成したPV動画をアップしろよ!と
言われそうですが、著作権や出演者のプライバシーの問題もあるので
残念ながら後にも先にも公にすることは無いでしょう。。。
-----------------------------------------------------------
<追記:H26.11.7>
「恋するフォーチュンクッキー ムービーメーカー」
というキーワードで検索してこられる方が非常に多いので
少しだけ補足説明を付け加えたいと思います。
久々に自分が作った動画を見返して、
タイミングをピタッと合わせることが出来ている点は
あの短期間の編集作業にしてはよくやったもんだなと
ちょっと自惚れ。
最近は携帯撮影でもHD画質は珍しくないので
まず、これを問題なく編集出来る最低限のPCスペックを
満たしている事が最低条件となります。
(スペック不足であれば、まず動画を読込む時点で
やたら時間が掛かってイライラするはずです)
さてコツとしては、プレビュー再生と完成動画に
ズレが生じるのをあらかじめ想定して作るという事。
とりあえずは大枠を作ることを優先して、多少粗目に
各シーンをぶっこんで、そこから微調整を掛けます。
ズレについて上の方での説明が足りていなかったのですが、
おそらく編集中に一番イラッとくるのは、
プレビュー時にシークバーで編集箇所まで飛ばした時の
音楽ズレだと思われます。
そこを解消する為に、前述の不要シーン
(私の場合3秒間)を冒頭にあえて挿入することで、
シーク時にタイミングが合うよう誤魔化す訳です。
不要シーン挿入以後は、頭から飛ばさずに再生すると
当然3秒間のズレが出ますが、都度シークバーを弄って
途中再生の形にすれば、タイミングが合ってきます。
(ややこしい説明ですが、シーク時のズレを織り込んで
それに沿った形で仕上げる、という意味です)
…これは、ひょっとしたらの話ですが
音楽をmp3直読みでなく、無圧縮のwav形式で読ませたら
もしかしたらプレビュー時のラグが軽減されるのかも。。。
私は試していないので無関係だったらすいません。
そして、最後に「ムービーの保存」する前に
不要シーンを削除して、完成動画を仕上げます。
面倒ですが、編集未了の段階でも一旦「ムービーの保存」で
最終どんな仕上がり(タイミングがどんな感じ)になるか
掴んでおいた方が良いと思います。
PVの場合、ちょっとのズレでもガッカリ感が出るので
パーフェクトに合わせようとすれば根気が要ります。
これから作る人は頑張って下さい!
後、ようやく動画が出来上がったとしても、
それを式場に持ち込む時は、民生用DVDプレーヤーで
再生出来る形にしておかなければならないはずです。
先にそこを押さえておいて、余裕を持って完成DVDを
事前に式場スタッフに渡して、式場の機材で再生できるか
確認してもらうのも重要な作業だと思われます。
(ぶっつけ本番で再生出来なければ悲劇ですからね…)